プライドが高い人、それって相対的プライドでは?
先日、社内の研修で「仕事の基本意識と姿勢」について3時間ほど話をする機会があった。
その中で、プライド(自尊心)について話をしたのだが、受けての反応を見る限り、あまり伝わってなく言葉が一人歩きしていた。
なので今回は、研修中に話をした「プライド」について少しまとめてみようと思う。
まず、FC2ブログ時代にも同じような記事を投稿したので載せておく。
現状を肯定して、変える事ができない人間は自尊心の固まりである。という内容であったが、今回も「自己評価」をテーマに追記という形で書いていきたい。
そもそもプライドって何?
まず、私が考える「プライド」って何か?
二分すると「相対的に比較をするプライド」と「自己にこだわりを持つプライド」になる。
- 相対的=他との比較による優越感を感じるもの
- 絶対的=内なるもので、自己愛という名のこだわり
では、どう違うか?
物事を上下で見る「相対的」
相対的プライドは、他人に自分を映しだし比べることで自身を生みだす。
- 恥ずかしいから
- 怒られるから
- 思い通りにいかなかった
人間は、みんな他を意識し生活している。ヒトの欲求には「帰属・尊敬欲求」があり、他に認められたいと欲求をする。
そして、自分より下を考える事で安心したい。
つまり、自分自身を肯定して認めたい・認められたいと思うのである。
この相対的プライドは、外のものと比較するので、揺れ動き易く傷つき易い。
傷つく性質があるからこそ、その傷を広げないように虚勢をはったり、取り繕ったりするんじゃないか?
弱い自分を強く見せる時には、相対的なプライドが作用しているのであろう。
自己にこだわりを持つ「絶対的」
絶対的なプライドは、他人がどうであろうが、どう評価されようが「自分は自分」であると思うところに自己愛を感じる。
いわゆる「こだわり」を持つということ。こだわり=アイデンティティ。
そこには、絶対的なプライドがあり、自己が自己である証明なんじゃないか。
この絶対的プライドとは、内にあるものなので揺れ動いたり傷つく事は少ない。
「相対的なプライド」と「絶対的なプライド」の違い
事例をだしてみる。
- 目玉焼きの食べ方=自己を持つプライド
- ヴィトンのバックを持っている=比較をするプライド
この2つのプライドが周りに見られ(バレた)たとしよう。
1.目玉焼き
目玉焼きをソースで食べるというこだわりを持った人が、朝食中にソースを掛けているところを周りに見られてしまった。
彼(彼女)はどんな感情になるか?
別になんとも思わないだろう。「これ、美味しいから!!」で終わるはず。
2.ヴィトンのバック
ブランド物のバックを持っていることをステータスだと思っている人が、そのバックが偽物だった事実がバレた、もしくはドンキで買ってたのを見られた。
彼(彼女)はどんな感情になるか?
恥ずかしい気持ちになるだろう。「バレて恥ずかしい、傷ついた」になる。
この2つの共通キーワードは「比較」という言葉。
ソースで食べていることは、別に恥ずかしと感じない。
それに引き替え「ヴィトンのバック」は、恥ずかしい気持ちになるはず。
これは、比べているか・比べていないかの違いである。
なぜ恥ずかしい気持ちになるかと言うと、他人に基準を置くからであり、そこには絶対感がないから起こる感情なのではないか。
要するに、対比で優越感を得るプライドは傷つく恐れがあるということ。
自己評価するには「受け入れろ!」
「相対的プライド」は持たないほうがいいのか?それは違う 。
傷つくから改善しよう!と思えるのであれば持っても構わない。
ここが、キモである。
傷つく→嫌だ→どうすればいい?→打ち手を考えよう→実行→改善。
このように、改善ベースで考えるのであれば持っても良い。
傷つく→嫌や→恥ずかしい→隠そう→認めない→終了。
「恥ずかしいから見てみぬフリをする」これが、最もダメこと。
受け止めてしまえば、自分の至らなさを肯定してしまうから、知ってるフリとか気にしていないフリをする。
悪い言い方をすると、自分の至らなさは棚に置いて、他を見下し自分の位置を確認する、それに対し優越感を持つことで快感を感じている。
このように否定ベースで考える事は良くない。
このパターンは、物事をステータスとして捉える人に良く見られるケースで、虚勢をはっているだけのペラペラな人である。
先にも述べたが、ヒトの欲求には「帰属・尊敬欲求」が存在する。
他を意識して認められたい。こう思って生活をしている。
ただ、この欲求が偏向してしまうと、表層部分だけが磨かれてしまい、深層部分は変わらない。要するに、中身が空っぽの人間になるんではないか?
自己を評価する場合は、「恥ずかしさ」を受け入れて改善ベースで考える事が重要であると思う。
みんながみんな良くて、自分に無いものは受け入れる。
そして、何故無いのか?何が足り無いのか?どうすれば得られるのか?
改善ベースで自己評価をする。
自己評価は甘くしがちで難しい。このサイクルを来年の今日に向けて回し続けよう。