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2016年10月から開始!「106万の壁」っていったい何?

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 意外と知らないお金の話。社会制度って実にややこしい。これは言葉や名称がわかりづらい点に原因があると思う。現代風に言葉を変えてほしいものだ。

最近話題の「106万の壁」ってご存知だろうか?

ああ、あんまり稼ぎすぎたらダメなやつね。くらいではなかろうか。
今回は自分の備忘録も兼ねて、2016年10月から開始された「106万の壁」について書いてみようと思う。
「103万の壁」「106万の壁」「130万の壁」とあるが、簡単に言うと2016年10月から130万円の壁が106万まで引き下げられた(一部)と言うことである。ただそれけのこと。
とは言っても意味わからない方がいるかと思うので、順を追って説明していく。

まず○○の壁ってなに?

 収入に関する控除や扶養についての話。これは、周知のとおりだと思う。
扶養されている方(わかりやすく妻)が稼ぎ出す収入の額によって、控除があったり保険・年金などの扶養に入れると言うこと。
「○○の壁」などとネーミングするから分かったようで分からなくなる。○○ハラしかり、日本人は造語が大好きなものだ。
  • 103万円の壁:所得税と配偶者控除(38万円)に関するもの
  • 106万円の壁:社会保険(扶養)に関するもの 新
  • 130万円の壁:社会保険(扶養)に関するもの 旧
夫が国民健康保険、国民年金の場合は「130万円」は気にしなくて大丈夫。(国保などには扶養の概念がないからね)

日本のメディアのせいでわかりづらい

 もうね、うんざり。受けが良さそうな言葉をすぐ作りたがるのもたいがいにして欲しい。言葉の出所は政府かもしれないが、テレビで言いすぎだ。
よく耳にする「○○万円の壁」というのは、扶養されている給与収入のある方が対象である。
よくありそうなモデルケースで言うと、夫が会社員で妻はパートで働いているケース。
妻が会社やお店に勤めず、自分で稼いでいたらまた違ってくる。(オークションで稼いでいたり、アクセや小物の販売など)
103万の壁ではなく、38万の壁になる。ややこしいね。
要は、「103万円の壁」というのは、会社やパート先などから給与としてお金を貰っている方が対象と覚えておこう。
今回はできるだけわかりやすく書きたいので、前提としてどちらも給与収入のケースでいく。
  • 夫:会社員(年収500万円)
  • 妻:パート

 103万円というのは何のライン?

 まず、なぜ100万円ではなく103万円なのか?

それは、給与収入を得ている方(妻)が受けることができる控除の合計額が103万円だからである。

控除には色々種類があって、今回出てくるのが4つの控除。

  1. 給与所得控除
  2. 基礎控除
  3. 配偶者控除
  4. 扶養控除

他にも医療費控除や、生命保険控除などあるので自分は何が対象か調べてみては。

先に言っておくと、給与所得者(会社員やアルバイト)は「①給与所得控除」と「②基礎控除」が最低でも受けられ、それぞれの額は「65万円」と「38万円」なので合計103万円となる。つまり、「103万円の壁」と言うのはこの数字のことだということである。

また、年間で得た所得に関しては、所得税が課税される。日本は累進課税なので、所得が多い方が多く課税される。

給与年収が104万円だとすると「104万円の給与-103万円の控除=1万円の所得」として1万円に課税されようになる。

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

このように給与所得控除を使って得た所得を低く見積もり、税金を安くするわけである。ようは、控除した分は課税しませんよという意味。

なので、103万円以下の給与にして、所得税を0円にしたいわけ。

ただ、控除と言っても様々なので、まずは控除の説明をしておく。

給与所得控除

 これは会社員やアルバイトなどの給料を貰っている方が対象の控除。なので、自営業者やフリーランスの方はない。

控除額は収入によって異なり、最低でも65万円は控除される。

No.1410 給与所得控除|税について調べる|国税庁

今回のモデルが、「夫:会社員(年収500万円)、妻:パート」だったので、夫の控除額を計算するとこうなる。

「500万円×20%-54万円=154万円」

なので、154万円が控除となりそれを給与年収から引いた「346万円」が、所得税の課税対象となる。

自営業者は稼ぎから必要経費を引くことができ、スーツやPCなどを仕事で使ったと確定申告をすれば経費とできる。

会社員の場合は経費といってすることができないので、給与所得控除として引いてくれているわけだ。

基礎控除

 これは、納税者であれば誰でも受けることができる控除です。控除額は一律で38万円

なので、先ほど計算した夫の346万円から、基礎控除を引いた「308万円」が課税対象になる。

このように、対象の控除を引いて行き最終的に残った金額を課税対象とし、所得税が課せられるわけである。

先述した、「妻が自分で働いていたら38万の壁」というのは、給与所得控除がなく基礎控除しかないからである。

配偶者控除

 本来は、専業主婦を扶養している夫に与えられた所得控除であった。控除額としては38万円となり、上のケースで言えば、「308万円」からさらに控除できるようになる。

今では専業主婦も少しでも働いて家計を支えるようになったので、「103万円の壁」などと言われるようになったわけだ。

と言うのも、この控除には条件がある。

納税者と婚姻関係にあり生計を一つにする者で、年間所得が38万円以下の者であること。

つまり、給与所得者なら65万円の控除をプラスして「103万円」までの稼ぎが対象となる。

ただ、よく勘違いされるのが、「103万円を超えたとしても控除は段階的に受けられる」と言うこと。

No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁

配偶者特別控除というものがあり、38万円を超えても76万円までであれば、段階的に控除を受けられる。

給与所得者であれば、「76万円+65万円=141万円」までであれば大丈夫。

なので、本来はそんなに103万円に拘らなくていいのだけどね。

扶養控除

 先ほどのは配偶者に対する控除であったが、こちらは扶養者に対する控除となる。一般的には子供か親を養っている場合。

No.1180 扶養控除|所得税|国税庁

詳しくはリンクを見ていただくとして、子供は年齢によって控除額が異なる。

こちらも同様に、年間所得が38万円以下が条件となる。

重要なのは130万円の壁

 103万円の壁はおわかりいただけたただろうか。

配偶者控除が少なくなるか無くなるかのボーダーラインということ。よく言われるのが「税金の壁」税金に関するラインである。

これも大切なのですが、「130万円の壁」と言われる方が重要だ。これは、社会保険に関するライン。

今回のタイトルにある「106万円」というのはここで出てくる。

結論を言うと、今まで130万円だった条件が106万円に引き下げられたということ。

「夫:会社員(年収500万円)、妻:パート」この場合、妻は夫の扶養に入っており、保険と年金は払わなくていい。(自営業の夫が加入する、国民健康保険や国民年金には扶養という概念がないので、130万を超えても関係ない)

被扶養者となる条件が、130万円以内の収入であること。扶養者の年収の1/2であること。つまり、130万円を超えてくると、扶養から外れ自分で保険料を払わなくてはいけなくなるということだ。

これは痛い。年収は130万円と増えるのに社会保険料として総手取りが減ってしまう。

今までは、勤務時間や130万円を超えないように調整していれば、保険も年金も保険料を払わずして受けれていた。

それが、2016年10月から変わったわけだ。

社会保険の加入要件は以下のとおり。

今まで

  • 週30時間以上勤務
  • 給与年収130万円以上

2016年10月から

  • 週20時間以上勤務
  • 給与年収106万円以上(一カ月88,000円)
  • 勤務期間1年以上
  • 従業員数501名以上の企業

当面は501人以上の企業に勤めている方に限られるが、これは拡大するであろうね。

時間も金額も減ったので、多くの方は対象になるのではないかと言われている。

抑えるかもっと稼ぐか、悩みどころだ。

また、2017年には「103万円の壁」であった、配偶者控除も撤廃しようとしている。女性の社会進出と政府は言っているが、待機児童率が高い地域の方は、総収入は減るわ、子供は預けれないわでツラそうだ。

これからの社会制度はどうなっていくのであろうか。少しでも得できるように日頃から勉強する必要があるね。