住む場所によって変わる?意外と知らない住民税
日本に住所を有するほとんどの人が支払っている住民税。みなさんはいくら支払っているだろうか。
「◯◯区は住民税が高いからね〜」こんな会話を聞いたことがあると思う。都会の便利な区だと住民税が高いと言う説はよく聞く話だ。
しかし、実は住民税は全国どこに住んでもほとんど変わらないのが原則。
今回は、住む場所によって高いと思われている住民税の内訳を説明してみたい。
住民税には「所得割」と「均等割」がある
住民税とは、道府県民税と市町村民税を合わせた総称で、その地域に1月1日時点で住んでいる人たちが負担する税金のことである。(東京23区の場合は、都民税と特別区民税)
また、住民が負担する住民税は次の二つの合計からなる。
- 所得割:前年の所得に応じて課税される
- 均等割:所得にか関わらず一定の額が課税される
つまり、住民税は自身の所得に応じて変わる税金のこと。
ちなみに、生活保護受給者や前年の所得が低い人は住民税がかからない場合があるので覚えておきたい。
気になる税率は?
では、どれくらいの税率で住民税が算出されるのかと言うと以下のとおり。
- 所得割:10% (道府県民税4% + 市町村民税6%)
- 均等割:4,000円 (道府県民税1,000円 + 市町村民税3,000円)
所得割、均等割それぞれこちらの税額が算出される。
ただし均等割に関しては、住む地域によって増額される場合がある。
参考に東京都と大阪市で比較してみると、東京都が合計5,000円に対し、大阪市は合計5,300円となる。
まあ、差があると言っても数百円であることはお分りいただけただろうか。
ご自身の地域も調べてみては?
※名古屋は所得割が9.7%((道府県民税4% + 市町村民税5.7%)
◯◯は住民税が高いと言われる理由
以上のように、住民税に差があると言ってもたかが知れている。
では、なぜ地域によって高いと言われているのだろうか。
H25年度の東京23区を参考に表にしてみたのでご覧いただきたい。
一人当たりの納付額を見ると、港区が約23万円に対し、杉並区が約10万円となっている。
こう見ると住む場所によって倍ほどの開きがあるように思えるのは確かだ。
ただ、ランキングの上位に注目したいのが、どの区も高所得者が住む区である点だ。
先述したとおり住民税は所得割と均等割に分かれている。
所得割は前年の所得に対し10%課税されるので、高所得者が集まる地域は必然的に一人当たりの納付額が上がるのは当たり前なこと。
地価が高い場所に住めるのは所得に余裕がある人達だけ。こう考えると、港区や千代田区の一人当たりが高いのは納得できるはず。
なので、「◯◯区は高いから引越しするなら△△区だね」は実は間違っているのである。
もし、昨年に比べて高くなったかな?と思った人がいれば自身の所得を見直してみて欲しい。所得が上がったか、扶養などの控除が減ったのではないだろうか。
意外と耳にする地域によって差がある住民税の話題。引越しシーズンになった時は気をつけたいところだ。