風が吹けば桶屋が儲かるらしいけど、私の財布は潤わない
最近すっかり寒くなったね。ヒートテックがないと、もうやり過ごせまない季節だ。防寒をしているのに店や電車は暖房をきかせすぎだ。考えればわかるだろ。
先日、寒い風が吹く中、凍えながら信号待ちをしていた。そんな中で、「全然違うわ!!」と突っ込みたくなる話を耳にた。
どこでどう間違えたら、そうなるのだ。ボケならまだしも、本気はやめてくれ。
「最近寒くない?風も強いもんな。あ、風が拭けば桶屋が儲かる知ってる?・・・風が吹けば寒くなる、寒くなると銭湯に行く、すると、銭湯の桶が足りなくなる、桶の需要高まる、桶屋が儲かる・・・」
そんなバカな。銭湯は出てこない。
まあ、本来の「意外なところから影響がでてくることもある」という意味として考えれば間違いではない。
よく似た言葉で「バタフライ効果」と「乗数効果」というものがあるので少しまとめてみたい。
風桶の本来の流れ
- 風が吹く
- 風のせいでホコリが舞う
- 舞ったホコリが目に入る
- ホコリで目がやられ失明する
- 盲人が増える
- 目が見えないので三味線弾きが増える
- 三味線の需要が高まる
- 三味線を作る皮が不足する(猫の皮)
- 猫が捕獲される
- 猫の相棒、ねずみが増える
- ねずみが桶をかじる
- 穴が開いた桶は使いものにならない
- 桶の需要が高まる
- 桶屋が儲かる
昔は目が見えなくなると、三味線弾きになる人が多かったようだ。
まあ、少し無理やりな因果関係だが、ことわざとしてはよく聞く話だと思う。
似た話でいくと、「バタフライ効果」も同じような意味がある。
「蝶が羽ばたいた風が、離れた場所でおこる竜巻になる」というもの。ただ、これは「初期に起きたほんの些細なことが、時間の経過とともに大きな現象を生む」といった意味をする言葉なので、少しニュアンスが違うので覚えておきたい。
波及していく乗数効果
景気が悪くなってくると、景気対策として公共事業への投資を行い、お金を波及させていくのはよく言われること。
これは、ケインズの乗数効果と言うもので、「政府の支出が波及効果を通じて最終的にGDPを押し上げる」という意味で使われている。
バブル期の公共事業への投資は、絶大な乗数効果があったとされているが、今では低下しているそうだ。
わかりやすく身の回りのことで説明してみるとこうなる。
- Aさんは、5万円の服を買った
- 服屋は5万円の売り上げが出た
- 服屋は5万円の内、2.5万円で飲みに行った
- 飲み屋は2.5万円の売り上げが出た
- 飲み屋は2.5万円の内、1万円で新しいお皿を買った
- 食器屋は・・・・
というように、Aさんの最初の5万円が波及していく。
この、公共事業から波及していく流れは「風桶」と同じだ。(波及の部分以外は似ていないが)
日本経済の先行きは
年始そうそう日経平均が下落し、一時「1万6000円台」をつけている。世界経済全体が下落傾向だ。
イランへの経済制裁一部解除をうけ、原油が「1バレル=30ドル」を割れたが、産油国はきついだろうね。
思うのだが、アベノミクスが成功したから株高になった日本成長したという見方は少し違う気がする。
麻生財務相が記者会見で「外的要素が非常に大きく、日本経済は悪くはない」と言っていたが、良くもないと思う。
株価が上がったのは、為替を切り下げたからであって、日本の商品の価値が上がったから売れるようになったわけではない。
「日経平均2万台はいく」と当初言われていたが、今後一体どうなって行くだろうか。
風が吹いて桶屋が儲かって欲しいものだ。そして、私の財布も潤ってくれ。