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「メタファー」ってなに?マスターカードから学ぶメタファーの使い方

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 テレビを見ていると必ず目にするCM。昔に比べてメタファー要素が増したように感じる。このCMを考える人達はすごいと思う。ほんの数十秒で記憶に刷り込まないといけないから。

物語要素があって、ドラマ・アニメのパロディ的なCMが最近増えた。

みなさんは記憶に残っているCMはあるだろうか。私は、マスターカードのCMが印象的だ。

「お金で買えない価値がある、買える物はマスターカードで」

というキャッチーなフレーズは耳に残る。

お金では買えないものを育むためにウチのカードを

 会話をしている際、「貴重であり値段が付けられない」ことを言い表したいときがあると思う。

そんなときに、「それって、プライスレスじゃない?」と言った経験がある人はいると思う。「プライスレス」これは妙に耳に残る。

マスターカードの、「お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで」という言葉を少し考えてみたのだが、上手にメタファーが含まれた巧妙なCMではないだろうか。

「愛」や「思いで」などをお金で買えないと仮定したとする。

すると、家族との楽しい思いでや、その瞬間はお金では買えないけれど、「それらを育む海外旅行はウチのカードで行ってね」という意味が隠されているのではなかろうか。

「思い出」は値段をつけることができないから買えない。でも、その思い出をつくる「行為(旅行や買い物)」はウチのカードを存分に使ってくださいね。という意味が隠されていると思う。

相対的にみれば「金持ちじゃない層」のほうが圧倒的に多いので、「金では買えない説」を推したくなる。

そのツボを上手に逆手にとった戦略的広告じゃないかと思う。巧みだ。

メタファーにはアナロジーが必要

 アナロジー思考についての記事を以前に投稿したが、メタファーを使う・読み解くのにも「アナロジー」が必要である。 

kaaaaawa1.hatenablog.com

簡単にまとめると、アナロジーとは「類推」のことで、お互いの共通部分を抜き出す能力のこと。詳しくは上の記事をご覧いただきたい。

物を例える(比喩)するには、大きく二分すると「直喩」と「隠喩」がある。メタファーとは、隠喩のこと。

  1. 直喩:○○のようだ、○○の如し、まるで○○、などを使った直接的比喩
  2. 隠喩:直喩で使用する形式を、はっきり示さない比喩

隠喩の解釈としては物理的な繋がりがない二つの物を結びつけ、聞き手に対し両者の類似関係を暗示的に想像させること」である。 

  • 会話はキャッチボール
  • 人生はドラマ
  • 人生は旅
  • 私に春はこない
  • 人種のサラダボール
  • ○○さんは蛇
  • 夜の蝶

よくありそうなのを出してみた。メタファーは簡単に作ることができる。 

簡単な作り方

 三段階のステップで作ることができる。 

  1. 「○○といえば××、××といえば△△」とした文を作る
  2. 「××」を抜いて、「○○」と「△△」を繋げる
  3. 「○○は△△である」か「△△は○○である」という文ができる

例えば、「会話はキャッチボール」を見てみると、「会話といえばやり取り、やり取りといえばキャッチボール」つまり、「会話はキャッチボールである」となる。

「○○」と「△△」の類似点を出して繋げれば、メタファー要素を持った意味に簡単にできてしまう。

でも、これがなんの役に立つのだろうか?と思う人がいるかもしれない。

ずばりいうと、普段の話が魅力的になる。

人は内に納得を多く抱くことで、相手に興味が湧いてくる。

会話の中で、「そう言うことか」という納得を相手に与えることができれば、興味を引き出せるというわけだ。

納得させるにはメタファー要素を入れる

 何かのお店をしている人が、売上増加のためにDM作成を一生懸命頑張っていたとしよう。

そこで、「DMをいくら作って集客が増えても、結果的に物が売れないと意味ないよ」と伝えたいとする。

そんな中で、直接的に伝えるのではなく、相手に合わせた「例え話」をしてあげると良い。

例えば、相手がサッカー好きだとしたらこうなる。

「いくらボール支配率が高くても、シュートを打って点を決めなければ勝てません。それと同じで、いくら集客を上げても手にとって購入に至らないとダメです。つまり、点を決める(決めさせる)仕掛けが何か必要なんです。目的が手段になってはダメですよね。」

また、野球が好きならこうなる。

「いくら出塁しても、最終ホームベースを踏まなければ勝てません。なので、最終的にホームベースを踏むために、バントや盗塁などを試みますよね。同じように、いくら集客を上げてもレジを通過しないと売上になりません。出塁も大事ですが、ホームベースを踏むことが大切です。点を取る仕掛けづくりも必要ですね。」

このように、違う領域のモノを引き合いに出せば二面的に理解ができる。「支配率」と「出塁」は目的の(点を取る)ための「手段」でしかない。 

隠喩は日本人の得意分野? 

 何でもそうだが、直接的に言いすぎると疎まれてしまうのが日本の文化である

直接的にではなく、ワンクッション置いて伝える。日本人間では「思いやり、配慮」といった通念がなければ相手にされない。

アニメ、ドラマ、映画、音楽と、日本には色々なカルチャーが存在するが、この中には様々な「メタファー」が織り交ぜられている。

普段から目にして耳にしているので、理解する分はすんなりできると思う。理解できるということは、使いこなすこともできるはず。

ただ、隠喩というのは万能ではないので気をつけたい。私はクライアントを激怒させてしまったことがある。

あるクライアントの担当がこう言ってきた。

「社員にはとりあえずやってみよう。と言っているので数字(取り組み数)は上がるはずです。」

それに対し私はこう伝えた。

"とりあえず"は躊躇すると思いますよ。真っ暗のトンネルを明かりも地図もなく進めないのと同じで。」

と返したところ逆鱗に触れてしまった。プライドを傷つけたのだろうか。

久々に映画でも見てみようか。ストーリーに隠されたメッセージを考えながら見れる映画はおもしろい。

いやはや、人の逆鱗ポイントは難しいものだ。