お客様は神様?「店」と「客」の関係性、ぶっちゃけどっちが上なの?
先日、とある飲食店の店員さんに「じゃあ、帰ってもらって結構です」と言われた。シンプルに驚いた。
口コミなどで有名で、店頭には行列がある感じのお店。
店を出たあとにふとあることを思った。「店と客はどっちが上なのか?」
今回はそんな疑念についてまとめてみたい。
飲食店でのとあるエピソード
なぜ、「帰ってもらって結構です」と言われたのか?いきさつを軽く記載しておく。
店に行ったのがピークタイムを過ぎたあたり。店内で使用する割り箸が少なくなっていたらしく、箸袋に詰める作業をしていた。
飲食店のバイトをしたことがある人はわかるかもしれないが、右手に割り箸を20本くらい持ち、左手で箸袋を持ってグイグイいれるというスタイル。
懐かしい気持ちで見ていると、口をつける箸の先端側をテーブルでトントン整えながらやってた。
口をつける部分をテーブルにつけるのは不衛生だ。しかも、そのテーブルには鉛筆や伝票とかがありさらに不衛生に思えた。
そこで、その方に一言伝えた。
「忙しいのはわかるんですけど、口にするほうをテーブルにつけるのは、衛生的によくないですよ」
するとね、こう言われた。
「はい?」
わかるよ。道を歩いていて、知らん人にいきなり「今日は日差し強いから帽子かぶり」とか言われたら「はい?」となるよね。
こみ上げる苛立ちを抑え、もう一言付け足した。
「客が見てる前で不衛生なことはするのはよくないですよ、最悪見えへんとこでやってください」
さぁ、ここで名台詞。
「じゃあ、帰ってもらって結構です」
感情的になる自分を押さえ「わかりました」と店を出たという話だ。
衛生面というのは、実際客には全くわからない。料理になって出てくるから。
そこで、最低でも店側がしないといけないことは、まず目に入る視界をキレイにすることなんだと思う。
お金と何を交換しているのか?
店を出たあとに「なんやあいつは?」と思いながらも冷静に考えてみた。
「店」と「客」の関係性ってどっちが上とかあるのか?これが今回のお題。
- 客はお金を払っているので、客が上で店が下なのか?
- 客はお金を渡し、店は料理を提供する関係なので対等なのか?
お店というのは、客からお金を貰って料理を提供している(あげている)。いわゆる交換になる。
重要なのは「お金と X 」を交換しているという点だ。その「 X 」の焦点がどこにあるのかを考えて欲しい。
- 料理のみ
- サービス含めて
- 店という空間を含めて
以上の三つの例は「 X 」の焦点が違う。人それぞれ価値観が異なり分かれる。
さて、「店」と「客」との関係性は一体どうなのだろうか?
お金と交換について書いた記事。よければ参考程度に。
需要と供給はかみ合わないのが普通
結論言ってしまえば、優劣はなく双方のスタンスによるのではないか。いわば対等と言っていい。
- 店も売りたくなかったら、売らなければいい
- 客も買いたくなかったら、買わなければいい
物々交換として考えてみると、「接客態度とか衛生面を含めて満足したい人」と「いきとどいたマナーと衛生管理ができている店」が巡り合ってお金と飯が交換される。
なので、サービス含めて商品と思う人はそれを提供する 店に行けばいい話。
- お金を払っているから、最低限のマナーと衛生管理をしないといけない
- お腹を満たせればいい
- 量とか質とかよりも、お店の知名度が重要
客の視点からすれば、こういった需要があるだろう。
- 飲食店というのは、料理もしかり接客サービスも含めて
- 飲食店というのは、飯を食うところ
- 飲食店というのは、有名になってこそ価値がある
と、逆に店側からの供給はこうなるだろう。
このように、どっちが上とかはなく優劣は存在しないと思う。
双方の需要と供給が合わなければ交換しなければいいし、等価の定義とはその人のスタンスで変わるのではないだろうか。
サービスという抽象的な枠組みにどこまでを求めるかが重要で、人によっては尺度が違うので定義はできない。
「飲食店→客」の流れのように最終的に消費しているのは客である。だからと言って客がエラいという考えは間違いだ。
自分では作れない料理を、お金を払って代行してもらってるにすぎないということを忘れてはいけないと思う。
「お客様は神様だ」
このフレーズを聞いたことがあるだろうか。
このスタンスを当たり前と思ってしまうから、「こっちは金払ってる客やぞ」となってしまうのであろう。
これはかなり大衆的な考え方であり、と言うかそれすらもなく人の頭に刷り込まれているように思う。
ただ、消費者の数に対して「供給側( 店 )」が多すぎるから、「お客様は神様だ」と言ってしまうのはわからんでもない。
店内で怒鳴り散らしたり、土下座させた写メをSNSに投稿したり、こんなことをする人は、お金を払ってるから本間に神やで?と勘違いしているのだろうか。
「二度と来ないからな!」と言っている人を見かけたが、あなた一人でこの店は潰れないからどうぞお好きに行かなければいい。
今回は飲食店について書いてみたが、「需要」と「供給」として捉えると、ほとんどの交換関係に当てはまることではないか。
身近にふれる「交換関係」を考える主観。しっかりした主観を持って、生きていきたいものだ。