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【読書】ユダヤの商法-世界経済を動かす / 藤田田

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 まず第一に怪しさ満点の題名と金額だが、「一読して損はない」そんな内容。

日本マクドナルド創業者の藤田田氏が、金を稼ぎまくっていた当時に書かれた書籍。「銀座のユダヤ人」と言う異名で呼ばれていたらしく、相当金儲けに長けていたのがうかがえる。

内容はというと、仕事で出会ったユダヤ人の「金儲けのコツ」を慣習や価値観を基に説いたものになる。

世界の人口に対してマイノリティであるユダヤ人が、なぜ各界で成功を収めているのか?現在活躍されている経営者の方々が、「衝撃を受けた」と言っているのも納得できる一冊。

この人やっぱりスゴかったんだ

 読み始めた経緯ですが、「中国のアリババ」がキッカケ。

WBSを見ている時に、中国の最大手サイトと言われるアリババが、softbankの孫正義氏に出資してもらっていたと知った。

そんな孫氏のルーツが気になり調べた。

高校生の時に「ユダヤの商法」を読んだ孫氏は、えらく感銘を受けたらしく、藤田氏に直接会いに行ったらしい(アポなしで)。そして、アメリカ留学するにあたっての助言をお願いしたそうだ。

今のコンピュータはこの部屋ぐらいの大きさだが、これからはもっと小さくなる。そしてもっと必要になるので、アメリカでコンピュータの勉強をするといい

これを聞いた孫氏は、アメリカ留学でコンピューターのことを学びなんやかんやあって今に至るというわけである。すごい行動力。

要するに「マクドのおじさんすげーーー」こう思った。

まとめ

 以下、「なるほど」と思った内容の抜粋。

1) 金持ちから流行らせろ

 流行には、金持ちの間で流行り出すものと、大衆の中から起こってくる流行の二つがある。この二つの流行を比べてみると、金持ちの間から起こってくる流行のほうが圧倒的に息が長い

人間は誰しも自分よりひとつ上のクラスを見て、せめてその程度の生活はしたいものだと考えるものである。金持ちや上流階級は、大衆にとって、あこがれのまとである。

今の世の中では、大衆から流行らそうとすると薄利多売になってしまい、ひとたび大衆の手に渡ると売れ行きが鈍化してしまう。「ひとつ上の憧れ」があるから、商品がトップダウンしていき息が長くなると言うこと。

2) 一人合点して相手を信用するな

 固定観念や自己都合により、人は良いように解釈しがち。特に日本人は「甘え、遠慮」が文化的に存在する。

一度や二度好意を受けたからといって、次も同じことが起きるとは限らない

商売の相手は、一回一回すべて「初回」なのだ。二回目だから前回のようにうまくいくはずだ、と一人合点をして相手を信用するようでは、まだまだユダヤ商法に合格したとはいえない。

画家であるユダヤ人と飲み屋に行った際に、ユダヤ人はホステスさんを画用紙にデッサンし始めた。画家の絵に対し「とても上手いな」と言うと、藤田氏と向かい合い、ペンを走らせた。画家の描きやすいように横顔でポーズをとっていると、時々左手を出し親指をつき立てて、またペンを走らせる。完成した絵を見てみると、画用紙には、彼の左手の親指が書かれていた。

自分が書かれていると思い一人合点してしまったと言う話。

3) 宣伝は口コミに限る

 ネット社会のご時世、商品レビューを書く・見るのは当たり前になりつつある。

人の欲求の中には「帰属欲求」が存在す。「誰かが良いと言っている」というのは、その発言者と繋がっているのに他ならないし、自身もそのグループに属しているという安心感を得ることができる。

客の一割はアメリカ人である。そのアメリカ人は、久しぶりに食べるハンバーガーにすっかり陽気になって、傍の日本人をだれかれなしにつかまえては、マクドナルドのハンバーガーの宣伝をしてくれるのだ。

外国人の自慢のおかげで、ハンバーガーが売れてくれるとは、ありがたいことである。宣伝は口コミが、信用を得るためにはもっとも効果的な宣伝だろう。

なるほどと言うか、 この時代から口コミのマーケティングをしていたことに驚いた 。

【書評】 世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 - kaaaaawaのブログ

上記、記事にも投稿したが、日本人はアメリカに憧れている傾向にある。 

アメリカというか、広義で海外への憧れが少なくとも存在する。反米といいながら、ジーパンにパーカーを着ていたり。アンビバレントだ。 

そんな憧れのアメリカ人がアメリカのハンバーガーを美味しそうに食べている。

この光景を見せることが、最大の「宣伝」と言うこ。今となっては当たり前。

Facebookの「いいね!」が100いいね○○円と商売になるこの時代。口コミ(Web)のマーケティングは欠かせないだろう。

他にも紹介したい内容があるが、今回はここまでにしておく。興味がある方は一読をおすすめする 。ちょっと値が張るが。

最後に

 最近、異物混入で袋だたきにあっている日本マクドナルド社だが、藤田氏がご存命であったならばどういう展開になっていたのだろうか? 

ちなみに、私は「異物混入は仕方ない」と思っている。1の商品を1以上に変化させる時点で、手が加わる訳なのでなにかしら不備はつきもの。むしろそれを前提に商品を購入しないといけないと思う。

いま世の中では、安い商品が売れでいる。

安い商品を好む消費者がたくさんいるから、企業側もコスト(チェック機能人件費、材料のレベルなど)を削減して価格を下げて利潤を確保する。

安い商品が売れる→利益を出すために削れるモノを探す→極力削る→粗悪な商品の完成。この繰り返し。

例えば、安い物が売れるとなると企業側は人件費を削減する。そうなると労働者のモチベーションはダウンし、やる気がなくなる(仕事を手抜きでやるかも)。また、人件費が削られると言うことは、労働者の賃金が減ることなので安い商品がまたまた売れる。

要するに、安い商品には欠陥がある確率が高い(コストを下げざるおえない)と言うこと。

  1. たくさん売らなければいけない(売上を伸ばす)
  2. 原価や販管費を削らなければいけない(コストを削る)

そもそも、企業として利潤を確保するためには、コスト削減は定石。ということは、安い商品は安いなりの理由があると言うことになる 。

テレビで「マクドナルドは許せません、信じられない!!」と言っている主婦に言いたい。

「安くないと買いません!」なんて言っているから、異物の混入も出てくるののだよ。